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For Students 調理師の活躍の場

調理師の活躍の場

調理師学校の卒業者への求人は、概ね100%に達しており、学校教育で最新の知識及び技能を習得した調理師として社会へ巣立っています。
これらの人々は、食品関係業界から高く評価されており、一流ホテル、レストラン、割烹店、種々の飲食店、病院、学校、また食品開発など多方面で活躍しています。

調理師学校出身の卒業生紹介

調理師学校を卒業し、調理分野で活躍する先輩たちと、その職場を紹介します。

卒業生の方のお名前をクリックすると、記事に飛べます。

分野 卒業校 卒業生氏名(記事へリンク) 勤務先
西洋料理人 今村学園ライセンスアカデミー 福留 雅太さん TO THE HERBS 鹿児島店
日本料理人 京都調理師専門学校 江藤 敬子さん 一品料理 伊セ藤
中国料理人 千葉調理師専門学校 井桁 良樹さん 中國菜 老四川 飄香 麻布十番本店
日本料理人 町田調理師専門学校 二川 敏勝さん 銀座 久兵衛 銀座本店
日本料理人 帯広調理師専門学校 高山 有也さん 蔵戸
西洋料理人 中央歯科衛生士調理製菓専門学校 太田 賢二さん 株式会社 ACCENDINO

2021年8月18日更新

太田 賢二さん(中央歯科衛生士調理製菓専門学校 卒)

株式会社 ACCENDINO 代表

太田さんは独立開業を目標に、その夢を叶えるために中央歯科衛生士調理製菓専門学校への入学を決めた。もともとイタリア料理をやりたいと考えていたが、入学後はその中でも特別に好きで難しい、ピザに夢中になった。

2006年に卒業した後は、東京のピッツァリアに就職。その後、イタリアのナポリにあるピッツァリアでの勤務経験を経て、30 歳の時に独立した。その間、ピザの世界大会でも入賞している。

学生生活を振り返ってもらうと、お世話になった方々の名前が挙がった。
「望月和子先生がいつも「料理は科学よ」とおっしゃっていたことが印象に残っています。望月先生には、入学する前の相談会から親身になっていただき、在学中も、卒業してからもよく声をかけていただきました。
他に、良知勝巳先生の氷の彫刻の仕事を手伝わせていただいたことや、インターン先の飲食店で、一番大事なのは《まず安全であること》だと教わったことなどは、現在でもよく思い起こされます。」

現在東京に2店舗、静岡に1店舗お店を経営しているが、現場を離れることなく、料理を作り続ける楽しさを感じているという。

2021年8月12日更新

高山 有也さん(帯広調理師専門学校 調理師科 卒)

蔵戸 店主

帯広調理師専門学校第27期卒業生の高山有也さんは、2001年3月に同校を卒業した後、十勝川温泉を代表するホテル「十勝川温泉 第一ホテル 三余庵」に就職した。
その後、札幌や沖縄などで修行を積み、2012年にはカナダへ渡り「Japanese レストランみかど」にてさまざまな料理や文化に触れ帰国。
そして、2015年に在学時のクラスメイトが「蔵戸」をオープンし、高山さんは料理長として抜てきされた。現在はオーナーとして腕を振るっている。

「蔵戸」は帯広市内にあり、北海道産の食材をふんだんに使用した創作和食料理を提供している。旬のネタを生かした「お寿し」、やわらかな身に濃厚なタレが香る「うな重」、爽やかなかんきつの風味で地元の名産を味わえる「十勝牛炙り」など、数多くの和の技術を取り入れた創作和食や懐石が楽しめる。人気メニューは、高山さんがカナダでの修行の際に習得した「カルフォルニアロール」だ。
店内は和テイストの落ち着いた色使いで、ゆったりとした特別なひとときを過ごすことができる。
平日・週末問わず、なかなか予約の取ることのできない人気店となっている。

同校の校長によると、高山さんの学生時代の印象は、「やんちゃでお茶目なところも多々あったが、コンクールなどでは才能を発揮し、光るものが感じられた」そうだ。

現在は、同校の44期の卒業生を弟子とし、さまざまな技術を教えている。また、校外実習や講習会の講師も担当しており、忙しい日々の中でも同校の教育活動に多大なる貢献をしていて、学生たちにとっても大変頼りがいのある先輩だ。

2021年8月4日更新

二川 敏勝さん(町田調理師専門学校 高等課程調理師科 卒)

銀座 久兵衛 銀座本店 店長

二川さんは、1983年に町田調理師専門学校を卒業後、寿司の名店である銀座『久兵衛』に入社した。ホテルニューオータニ店で修業を始め、1996年に帝国ホテル大阪店のオープンに伴い、副店長に。2010年からは銀座本店の店長に就任し、現在に至る。

二川さんによると、仕事をする上で大切にしていることが二つあるそうだ。
一つ目は、「召し上がった方が、納得し満足されているか?」ということ。
「お客様の反応をカウンター越しに直接感じることが寿司店の面白さであり、醍醐味です。」
二つ目は、「お客様に『また来たい』と思ってもらえるか?」ということ。
「うまい魚を探すこと。その魚の味を最大限に引き立てるためにこだわって仕込みをすること。私も含めた全従業員が日々精進し、技術の向上に努めること」を実行しているが、これらは全て、お客様に満足していただき、また店に足を運んでいただくために行っているそうだ。

「現在、店長という立場を任されているため、一寿司職人としての仕事の他にも、やるべきことは山のようにあります。「久兵衛」という大看板を背負っている以上、日々の店舗管理・運営にも細心の注意を払わなければなりません。しかし、やはり一番大事なことは常にお客様に喜んでいただけるお料理を提供することだと信じています。」

今後の目標は、とにかく「心に残るおいしい寿司」を握り続け、創業以来86年の「久兵衛」がつむいできた歴史と伝統を、若い従業員たちにも受け継いでもらうことだ。

在学時代の思い出で印象的だったことを尋ねると、「私が生徒として学んでいたのは35年近くも前。何もかもが違いすぎますからね(笑)。社会・仕事・現場とは何かを、15歳の私に身近なものとして教えてくださった当時の先生方の熱意を肌で感じたからこそ、今があるのではないでしょうか。」

最後に、全国の「食」への高い志をもった大勢の若者へメッセージをお願いすると、笑顔で応えてくれた。
「自分に関わってくださる方々に感謝をして、目先のことにクヨクヨせず、壁を一つずつ乗り越えていけば、必ず素晴らしい未来がやってきます。頑張ってください。」

2021年8月11日更新

井桁 良樹さん(千葉調理師専門学校 調理師科 卒)

中國菜 老四川 飄香 麻布十番本店 オーナーシェフ

店名の「飄香(ピャオシャン)」とは昔の四川の香りが漂うという意味。
その店名のとおり、お店はゆったりとした中国の風が吹くような別世界。
井桁さんは、日本人がまだ知らない多彩な伝統四川料理を紹介したいという思いからこのお店を始めた。

井桁さんは、努力の人だ。千葉調理師専門学校を卒業後、千葉県内の四川料理店で11年勤務した後、「本場の味が学びたい」という思いがどんどん強くなり、29歳で単身中国へ。上海、成都の数店舗で2年間修業し、500以上のレシピを習得して帰国した。

帰国後、2005年に代々木上原に「飄香」をオープン。
化学調味料を使わず、料理に使用する漬物類等も自家製、スパイス類もシェフが直接中国で買い付けるというこだわりの美味しさが評判を呼び、瞬く間に予約の取れない店として知られるようになった。本店を麻布十番に移転し、今では、銀座、六本木ヒルズと3店舗に。どの店でも、今まで味わったことのなかった、もう一度行ってみたいと思わせる四川料理が楽しめる。

四川料理に魅せられた井桁さんは、40歳を過ぎて、成都で四川伝統料理の松雲派に入門。2度目の修行を経て、日本初の流派継承の称号を授かった。2018年より、本店をコース料理専門のレストランとし、日本ならではの伝統的四川料理でお客様に新たな感動を呼んでいる。

料理への情熱によって、シェフとして厨房に立つだけでなく、テレビ出演、講演活動、雑誌や著書の出版等、さらに活動の場も広げている。

在学中は、おとなしい印象の学生だったため、当時の姿を知る教職員は現在の活躍に目を見張る思いだそう。一方で、謙虚で誠実な人柄と努力を惜しまない姿勢は、今でも変わらないのだとか。

2021年8月4日更新

江藤 敬子さん(京都調理師専門学校 調理師科 卒)

一品料理 伊セ藤 料理人/店主

京都調理師専門学校を卒業後、家業の仕出店「伊勢藤」を受け継ぎつつ茶事出張料理の名店「辻留」でも腕を磨いた江藤敬子さんが2009年に開店した「伊セ藤」。旬に満ちあふれた山海の幸を用い、割烹仕出で提供される一品料理の味わいは奥深く、それでいて家庭的な優しさを感じさせる旨味に魅かれ、足繁く通う"常連"も多いようだ。本日のお造り(800円から)や鰆の幽庵焼(800円)といった一品料理にも安価な品が多く、おまかせコース(3,850円から)も手頃に楽める。

京都調理師専門学校を卒業後「伊セ藤」で修業する重留舞香さん(右)と林七瀬さん(左)。江藤敬子店主(中)を含め、今は女性の卒業生3名で店を切り盛りしている。

江藤さんに学校での思い出や、開店の経緯を聞いた。
「家業の仕出店(出張料理も実施)を父から受け継ぐかどうか迷っていたとき、私自身は32歳の警察官でした。そんなある日、ふと前を通った京都調理師専門学校で体験授業を受け、料理を本格的に学ぼうと決めたのが今につながる最初の一歩です。警察官を辞しての在学中に和食の基礎・基本をしっかり学び、卒業後は家業を手伝いつつ茶事出張料理の名店「辻留」でも仕事をしていました。そんな教わることの尽きない日々、50歳を前に独立開業の機会が訪れ、決心して開いたのが当店です。それから約10年、母校の入学時に購入して使い続けている片刃の包丁を今日も研ぎ、ご愛顧くださるお客さまをお迎えしています。店に勤めてくれている京調校卒業生の二人の後輩も頼もしく、先生方の指導の確かさを今、改めて実感しています。」

2021年8月4日更新

福留 雅太さん(今村学園ライセンスアカデミー専攻調理科 卒)

TO THE HERBS 鹿児島店 取締役常務執行役員/料理長

福留さんは、1995年に今村学園ライセンスアカデミーに入学し、1年間調理について学び、卒業後は地元鹿児島のホテルに就職した。その後2004年に「TO THE HERBS鹿児島店」に入社し、現在取締役常務執行役員兼料理長として活躍している。

同店は、全国展開しているイタリアンレストランだ。
福留さんのお店も他県と同様、ランチ、ディナー共に大変人気で、週末はレストランウェディングで毎週貸し切り状態となっており、鹿児島で有名なレストランとなっている。

学生時代の福留さんは、学校の授業だけでなく、さらに自分の経験を積むために一生懸命アルバイトをしており、料理の中でも西洋料理に憧れていたそうだ。料理長となった今も料理に対する探究心は尽きることがなく、常に新しい食材や技法を取り入れ、さまざまな料理を生み出している。

福留さんは卒業校の今村学園ライセンスアカデミーで、自身の調理師としての経験や技術を学生に伝えるべく、調理実習の講師も担当している。基本技術の実習はとても丁寧で分かりやすく、また、レストランで提供されている最新の調理法を取り入れた実習では、学生が食い入るようにして授業を受けている。また、学生の校外実習先として、現場でも指導をしている。

同校では、福留さんに憧れて、同店に進路を決めた卒業生が多数いる。お店や学校で調理をしている姿勢が、学生にとっても同じ職場で働く後輩達にとっても、とても魅力的に映っている。